COLUMN

初めての外国人採用は、なぜ多くの企業が失敗するのか

1.外国人採用
なぜ 多くの企業が失敗するのか

近年では外国人採用が多くの企業で行われるようになり、採用活動が順調な企業もある一方で、始めての外国人の採用活動に苦戦し、「失敗」する例も多く聞かれるようになりました。

企業が外国人採用を始める前に抱える悩み

我々が多くの外国人の採用活動を開始しようとする企業と関わる中で「企業が外国人採用を始める前に抱えている悩み」についてヒアリングを続けた結果、大きく分けると以下の2点にまとめられることが明らかになりました。

✔︎ 基本的な採用フロー(母集団形成の方法やビザの種類など)がわからない
✔︎ 明確な課題がわからない、もしくは課題感が把握できていない

1点目の基本的なことについては、自社で調べたり専門機関のアドバイスを得たりすることで解決できますが、問題は2点目です。


外国人採用を始めるにあたって何から始めれば良いかわからずステップを踏めないということは想像に難くありませんが、「明確な課題や課題感が把握できていない」状態というのは、特に大手企業や上場企業においては少し想像し難いかもしれません。

しかし実態を調査すると、なぜ外国人採用をしたいのか、その根底にある自社の課題感を明確に掴めていないまま採用活動を進めてしまうケースは少なくないことがわかったのです。

経営方針と経営戦略のギャップ

例えば、古い体質から脱却できないことからの業績の伸び悩みが課題で、多様性を高めてダイバーシティを目指すことが目的であれば、多様な人材を確保できるような採用活動をすることになるでしょうし、人材不足で国内人材だけでは採用が追いつかないことが課題であれば、安定した採用人数を確保することが目的で、確保したいセクションの仕事にあった人材が採用できるよう採用基準を設けることになるでしょう。


しかし、失敗する企業の多くは外国人採用の目的が不明確もしくは経営層の意図が現場に伝わっていないことがほとんどです。

経営層は「古い体質から脱却するためにダイバーシティを目指したい」と思っていても、ダイバーシティの正しい理解が双方になされていなければ、ダイバーシティ=外国人採用という誤った経営戦略が作られてしまい、失敗の一途を辿ることになりかねません。


ダイバーシティを目指すという方針に沿って外国人採用をするのであれば、会社としてどこまでの多様性を受け入れていくのか、また自社が守るべき文化や特性はどんなところなのかなど経営層と現場との認識を合わせていくことが非常に重要ですが、失敗パターンに陥る企業の多くは、そうした擦り合わせが出来ないまま採用活動を開始してしまうのです。

自社の外国籍人材を採用する本当の目的は何?

このように、経営方針と経営戦略とのギャップが生じていることに気付かずに採用活動を始めてしまうと当然成功する可能性は極めて低くなります。

前述の例からも、採用活動を始める前に採用基準を設けることは必須ですが、それは本当に会社が目指す状態を創り出せるような採用基準になっているのか、またそのための戦略は誤っていないかということを確認しながら進めていくことが何よりも重要であることがわかります。

採用活動には当たり前だと思われるようなこのプロセスですが、特にこの外国人採用においては、採用活動を進めていく過程で現場に即した人材や採用しやすい人材を採用してしまうなど本来の目的を見失ってしまうことは珍しくありません。

初めての外国人の採用活動においては、経営方針と経営戦略や採用基準にズレがないかや自社の外国人採用の目的を何度も確認したり見直ししたりしながら進めていくことが、非常に大切なポイントだと言えるでしょう。

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