COLUMN

2020.01.15

外国人の定着率を高めるために設けるべき“外国人に適した”採用基準とは

採用

厚生労働省の調査によると2018年の外国人労働者は146万人となり、10年前の2008年に比べて3倍以上にまで増加しています。それに伴い、外国人採用を始めた企業も多いと思いますが、実際に採用してみたものの定着率が悪く頭を悩ませている企業も多いのではないでしょうか。

今回は、そんな企業の人事担当者の方に向けて外国人の定着率を高めるための選考方法について解説します。

外国人が日本企業で働く理由

外国人労働者は年々増加傾向にありますが、まず、日本で就職を目指す外国人はなぜ日本で働きたいと考えているのかといったところに触れていきましょう。

2018年に株式会社パソナが行った外国籍留学生に関する就労意識調査によると、最も多かったのは「日本語あるいは母国語等の語学力を活かしたい」でした。中には「日本に住みたい」というようなキャリアとは直結しないような理由もありますが、一位の「語学力を活かしたい」に始まり「学びたいことが多い」、「日本で身につけた能力を活かしたい」など、自分自身のキャリアに対して前向きな理由が多いことがわかります。

(引用:株式会社パソナ「平成30年留学生調査 外国籍留学生に関する就労意識調査」)

 

外国人を採用する企業の人事担当者にとって、彼らがどんな目的をもって日本企業で働こうとしているのかを知ることは、定着率を考える上で非常に重要です。

なぜなら、母国を離れて日本で働く彼らに強い意思や目的があるのは当然であり、その目的が達成できない環境だと判断すれば、決してその企業で長く働くことを選ばないからです。

日本企業で働く外国人のモチベーションが下がる理由

に日本企業で働く外国人が日本で働き出した後に感じる不満についての調査結果をみてみると、前述のデータからも見られるようなキャリアに対して前向きな意志を持った外国人が日本企業で働き出すと、「キャリアパスの不透明さ」や「ジョブ範囲の不透明さ」、「能力や成果に応じた評価の不透明さ」など働く上での曖昧さからくる不満が多く挙げらるのです。

「突然異動を命じられたが、異動の意図について会社や上司からの明確な説明はなく、キャリア相談の場も設けられていない。」

「採用試験の面接では、質問されたことに対して自分のことを一方的に話しただけで、自分が何を求められているのかがわからなかった。」

「入社後、配属されたチームで指示された通りに仕事をしていたが、なんのためにその仕事をしているのかの説明はなく、評価も不明確だった。」

などという外国人材へのアンケート結果からは、日本の人事制度はグローバル社会に適応するにはまだまだ多くの課題が残されていることを痛感させられます。

このような課題は近年日本国内でもフォーカスされるようになりましたが、外国人からすると、この不透明さこそが日本企業で働く外国人のモチベーションが下がる理由の主な要因だと言います。

モチベーションの低下を回避するために

こうした不満から一度モチベーションが下がってしまうと、そこから回復して長く勤務することはそう簡単なことではありません。そのため、採用した外国人のモチベーションの低下を回避するためには、外国人採用に適した制度や相応の知識が必要になってくるのです。

おそらく、日本人と同様にきちんとプロセス通りに契約を締結しているという企業が多いでしょう。しかしながら前述の例から見ても、実際には日本人と同様の書面や形式上のやりとりだけでは外国人には「伝わっていない」可能性が十分に考えられます。

つまり、前述のような外国人のモチベーションを低下させることなく採用した外国人材の定着を図っていくためには、曖昧さを極力無くし、

・業務範囲やポジション

・彼らに求めること

・評価の方法

などを日本人以上にわかりやすく明確にして彼らに伝えることが重要であり、外国人採用には外国人採用に適した採用基準や人事制度を設けておくべきだと言えるでしょう。

また忘れてはならないのは、彼らが日本で働く目的についてです。彼らがなんのために日本企業で働こうとしているのか、また自社には彼らの目的が叶えられる環境があるかどうかといったところにも目を向け、採用選考を進めていくことは外国人を採用する上で非常に重要な要素であると言うことも、採用担当は心に留めておく必要があるでしょう。

定着率を高めるために設けるべきは“外国人に適した”採用基準

ここまで外国人労働者が日本で働く目的やそのモチベーションについて触れてきましたが、実際に、外国人労働者の定着率を高めるためにはどうすれは良いのでしょうか。

前項でも少し触れた通り、そのために人事担当者がやるべきことは日本で働く外国人のバックグラウンドを理解した上で、「外国人に適した採用基準や人事制度を設け、社内環境を整備すること」に尽きるでしょう。

採用基準を明確にすることは日本人の新卒採用や中途採用でも同様に大切なプロセスの一つですが、外国人採用においては日本人のそれとは別に社内で議論し、明確にしておくことが重要なカギを握ることになります。

多くの場合、日本人と同様の選考方法(面接や適性検査)で採用活動を進めてしまいがちですが、やはりそれは適切な選考方法ではないと我々は考えています。

なぜなら、日本人と同様の適性検査や面接をしても、結局のところ「日本語力があるか否か」で結果が大きく左右されてしまうからです。

外国人に適した採用基準を設けるためには、まずは採用の目的に沿って

1.任せたい仕事やポジション

2.必要なスキルや能力

の二つを明確にしておく必要がありますが、それに加えて、

①外国人ならではの「プラス面」を測るために

 ・働く目的の明確さ

 ・成長意欲の高さ

 ・働く覚悟

 ・多言語対応

 などを見極めるための項目

 

②外国人ならではの「マイナス面」を測るために

 ・日本文化や企業文化とのフィット度の高さ

 ・カルチャーアダプテーション(異文化適応力)の高さ

 などを見極めるための項目

を設け、その方法についても勘案しておくことをおすすめします。

日本人は、外国人を採用したいと考えている一方で「日本人と同じように働ける」ことを外国人にも求める傾向が強く、ついつい採用活動自体も日本人と同じように進めてしまいがちです。

しかし、このように外国人には外国人に適した採用基準を設けておくことで決して「日本人と同じように働ける」ことを基準とせず、外国人採用ならではのメリットを十分に理解し、それを活かせる環境を創出することができるようになります。

その結果、単に人手不足を解消するだけなくより会社の成長に繋がるなど、外国人の採用は期待以上の成果を生み出してくれるのではないでしょうか。

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