COLUMN

2020.07.01

高度外国人採用の概要と受け入れのメリット

採用

外国人採用が活発になりつつある昨今、特定技能や技能実習生、高度外国人など、様々な用語を耳にする機会が増えたという人も少なくないのではないでしょうか。
しかし、初めて外国人採用に関わる人にとっては、その種別や概要についてはわかりづらいものです。今回は高度外国人とはどんな人のことを言うのか、また高度外国人の採用方法やその注意点やポイントなどにも触れていきます。

本コラムは、年間約1000件の就労ビザ申請を行い、
業界トップクラスの取得率を誇る行政書士Climbの森山 敬先生に監修頂いています。

森山 敬 氏  行政書士法人Climb 代表社員
株式会社GLEASiA代表取締役、他監査役等。大学卒業後、民間企業4社を経験したのち行政書士事務所を2011年に設立。設立以来一貫して外国人のビザ申請業務を専門とし、年間約1,000件のビザ申請業務に携わる。著書に「訪日外国人観光客ビジネスがよ~くわかる本」がある。

高度外国人とは

高度外国人とは平成27年に新たに創設された「高度専門職」といわれる在留資格を持つ外国人のことで、「国内の資本・労働とは補完関係にあり、代替するこ とが出来ない良質な人材」であり、「我が国の産業にイノベーションをも たらすとともに、日本人との切磋琢磨を通じて専門的・技術的な労働市場 の発展を促し、我が国労働市場の効率性を高めることが期待される人材」(引用元:高度人材受入推進会議 外国高度人材受入政策の本格的展開を(報告書))と定義されています。

つまり、「グローバル化や技術向上などを目的とし、専門性の高い職種に就いている外国人」で、それぞれの分野で優秀な能力や資質を持つ人のことを指しています。

よって、もちろん単純労働は認められていませんが、この分野内の在留資格は「医療」「教育」「興行」など15以上の在留資格があり、研究者、大学の教授、経営者、医師、教師、演者、スポーツ選手、通訳、エンジニア、アプリ開発者、デザイナー、マーケティング、生産管理など様々な専門的な職種の人材が存在します。

 

高度外国人の在留資格の概要

この高度外国人の在留資格は、年齢や学歴、収入などをポイント換算し、一定のポイント以上の人材に高度人材の在留資格が認められます。
また、在留資格には、「高度専門職1号」と「高度専門職2号」とがあり、さらに1号は(イ)(ロ)(ハ)の三つに分類されています。

■ 高度専門職1号(イ)
高度学術研究分野
公私の機関との契約に基づいておこなう研究、研究の指導または教育をする活動を行う分野で、研究者、大学の教授等がこれに当てはまります。

■ 高度専門職1号(ロ)
高度専門・技術分野
公私の機関との契約に基づいておこなう自然科学または人文科学の分野に属する知識又は技術を要する業務に従事する分野で、社会学や心理学の研究者などがこれに当てはまります。

■ 高度専門職1号(ハ)
高度経営・管理分野
公私の機関において事業の経営を行い又は管理に従事する分野で、会社の経営者や役員などがこれに当てはまります。

 

「高度専門職1号」と「高度専門職2号」の違いと優遇措置

この高度専門職の在留資格を得ると様々な優遇措置を受けることができますが、1号と2号の違いはここで見ることができます。

■ 高度専門職1号の優遇措置
  1. 複合的な在留活動の許容
  2. 在留期間「5年」の付与
  3. 在留歴に係る永住許可要件の緩和
  4. 配偶者の就労
  5. 一定の条件の下での親の帯同
  6. 一定の条件の下での家事使用人の帯同
  7. 入国・在留手続の優先処理

■ 高度専門職2号の優遇措置
  A.「高度専門職1号」の活動と併せてほぼ全ての就労資格の活動を行うことができる
  B.在留期間が無期限となる
  C.上記3から6までの優遇措置が受けられる
  D.「高度専門職2号」は「高度専門職1号」で3年以上活動を行っていた方が対象

このように、高度人材に認定されると通常の在留資格では不可能な、複数の職種で活動することができたり、永住権を取得しやすくなったり、家族の帯同が認められたりと、様々なメリットがあります。
高度専門職の在留資格は、最初に1号の認定を受けた後、3年以上活動を行った人で条件が揃った人が2号の認定を受けられるという流れになりますが、2号の認定を受けると幅広い分野で活動することができ、在留期間が無期限になるのです。

 

高度人材の受け入れのメリット

高度人材は、上記のように多くの優遇措置がとられており、日本では国家戦略としても高度人材の獲得を強化する方針を打ち出していますが、高度人材を受け入れることは、上記の優遇措置から見ても多くのメリットがあります。
経験値や技術、ノウハウなどの観点からも優秀な人材であることはもちろん、永住許可が取得しやすかったり、複合的な職種での活動が可能であるため、幅広く活躍してもらうことが可能です。
しかしながら、日本企業が高度人材を獲得するのは決して容易ではありません。なぜなら、高度人材に匹敵する人材は、世界各国様々な国や地域で活躍することが可能な人材だからです。

上図の通り、日本の高度人材の認定件数は年々増え続けていますが、日本が今後グローバル競争に勝ち残り、新たな需要を開拓していくには、ますますこういった多様な技術やノウハウを持った高度人材の受け入れ強化が重要になるでしょう。
そのため、日本企業には、ますます高度人材の価値を引き出し、彼らを誘致できるような魅力的な企業を目指し続けることが求められるのではないでしょうか。

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