COLUMN

2020.02.27

グローバル社会で生き残るために日本企業が変わらなければならないこと

2.組織形成
外国人採用CQI 日本人が変わらなければならないこと

2020年1月29日、『採用難・人手不足が加速する2030年に向けて日本企業の採用・組織はどうあるべきか』をテーマに、各分野の専門家として活躍される講師の方々をお招きし、外国籍人材の採用における特別講演会を実施しました。
パネルディスカッションでは、実際に現場で起こっている課題や外国人採用における成功例、外国籍人材活用のヒントなどリアルな現状に切り込んだ内容となりました。
今回は、今後さらに加速する人材不足やグローバル化に向けて日本企業がどうあるべきかについて、特別講演会のパネルディスカッションより一部抜粋した内容をお届けいたします。

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データから見る外国籍人材と日本人の違い

日本企業が変わらなければならないこと

株式会社エイムソウルでは「CQI」という外国人向けの適性検査を取り扱っていますが、CQIのデータは昨年6ヶ月間で少数の国も含めて29カ国(東南アジアを中心にベトナム、インドネシア、中国、韓国、インド、台湾など)1,200ほどのデータが集まっています。

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弊社代表の稲垣はパネルディスカッションの中で、このデータから様々な外国籍人材と日本人の違いが見られると述べました。

稲垣「国ごとに切るのは非常に大雑把で危険ですが、日本の文化は非常に特徴的な文化であるものの、比較的似ているのは、台湾、ベトナムです。

また最近では、中国、韓国は日本人と違ってきています。違いがどこにあるかというと、日本人の仕事内容はオペレイティブ志向で、ベトナム人や台湾人もオペレイティブな志向性が強いのですが、中国人、韓国人はイノベーティブな志向性のほうが強かったのです。(下図「組織・人材の4つのタイプ」参照)

また、弊社とも関わりが深いインドネシアには、ものづくり企業をはじめ約1,900社もの企業が進出しており、多くの製造工場がありますが、(下図でいうと)TypeA(トラディショナル型かつオペレイティブ型)に当てはまる日本企業が多い中、インドネシア人でTypeAに当てはまる人は全体の約4%程度しかいませんでした。

そういった志向性の違いがあるため、定着しないということも一つの課題だと言えますが、そのたった4%のマッチする人材を探すということ自体も難しいことは顕著であるため、日本企業がやり方自体を変えていかなければならないということは、次の課題なのではないかと思います。」

外国人採用CQI 組織・人材の4つのタイプ

インドネシアに限らず、特にアジア各国には多くの日本企業が進出していますが、日本は世界各国からみても特殊な文化をもつ国であることは、様々なデータからもわかっています。

そのため、まずは外国人材と日本人との違いがあることを認識し、日本側も世界に合わせて変わってくという柔軟な意識改革は、グローバル化に向けての大切な第一歩なのでしょう。

優秀な外国人材が日本企業を選ばない理由

日本企業が変わらなければならないこと2

上述の通り、グローバル化を目指すためには文化の違いを理解することは重要です。しかし、さらに日本企業は厳しい現実に目を向けなければいけないと言います。

例えばインドネシアの例を見ると、人口約2億5,000万人のマーケットに日本企業だけでも1,900社も進出しているわけですから、現地企業はもちろん世界各国の企業との人材の獲得競争に勝っていかなければなりません。

そんな中、優秀な外国人材が日本企業を率先して選ばないケースも少なくないという現状について体験談を踏まえて述べています。

稲垣「約6年前にインドネシアに行った際、現地の日本人の方々に「インドネシア人って本当に優秀な人がいないよね」と散々言われたんですね。

当時はまだ、日本の常識が世界の常識だと思っていたので同調していたのですが、ある時インドネシア大学(日本でいう東大)でトップ25名に対して授業をする機会があり、その学生たちの優秀さに驚かせられました。しかし、その25名は誰も日系企業を志望していませんでした。「(これだけ優秀な人材だと)そりゃ合わないよな」と感じたのが、一つのオチですね。」

つまり、「インドネシアは優秀な人がいない」と感じてしまっていたのは、自分たちのやり方が世界のスタンダードだという認識からまだ脱却できていなかったのもかもしれませんし、そのような優秀な人材を獲得できるプールにはいない、またそれに気付いていなかったということなのかもしれません。

では、そういった優秀な外国人材が日系企業を自ら選択しないのはなぜなのでしょうか。続けて、その理由について次のように述べています。

外国人採用CQI 職種・役職ごとの給与比較図

稲垣「上記の表は、インドネシアにおける日系企業と現地企業の職種・役職ごとの給与額比較表です。現地企業の給与が安いという一元的な見方もありますが、もう少し分解してみると、日系企業は他と比較すると最初の一般社員の給料は高いのですが、管理職になった瞬間に逆転してしまうんですね。

先ほどお話したインドネシア大学の学生たちに「なぜ日系企業に行きたくないのか」と聞いたところ、「給料が上がらないから」と言われました。彼らのような優秀な人材は、自信があるので、ヘッドハンティングなどでいきなり高い給料がもらえる企業へ行くこともできます。

だから、最初の給料は低くてもいいんですよね。でも、日本だと自分が頑張って成果を出しても、給料が上がっていかないという認識があるんです。」

確かに日本は上記の比較表に近しい給与制度(評価制度)の企業がまだまだ多いというのが現状なのかもしれません。さらに深刻化する人手不足の解決の一手となる外国人材の受け入れを活発化するためには、日本企業には今、どのような対策が求められているのでしょうか。

日本企業が変わらなければならないこと

日本企業が変わらなければならないこと3

パネルディスカッションの中でも、「今、日本企業が人材の獲得競争に勝っていくために求められている対応能力については現実的には危機的状況とも言える。」と述べられていますが、上述の通り、現状の給与制度、評価制度は深刻な問題なのかもしれません。

上記の例からも日本企業で働くことは、新卒では良くても自身のキャリアをしっかり考える優秀な人材にほど魅力的には映らない可能性があるということがわかりました。

こういった例を踏まえ、今回のパネルディスカッションでは「日本企業は、評価制度(給与制度)の課題にしっかりと向き合う必要がある」と示唆されました。

さらに、加えて日本企業における課題は、やはり言葉の壁にもあると言います。

稲垣「日本企業が日本語でコミュニケーションをとるのは致し方ないのですが、やはりもう一つは言葉の壁に課題があると感じています。

ある大手企業の話では、会議に参加した外国人のモチベーションが非常に低い。その理由はというと、会議では英語で話すルールになっていて議事録もとるのですが、終わった後に日本人同士でちょこっと日本語で話をして議事録にも一文が追記されているということがある。先ほどの会議での議論はいったい何だったんだというようなストレスを感じたのだと。」

このように、日本人同士に悪気はなくても、こういった事例があると結局会議は形だけのものなのかと思われてしまうこともあるでしょうし、外国人からすると壁を感じてしまうでしょう。

これでは外国人材はモチベーションも上がりませんし、こういったことが続いてしまうと信頼関係が築き辛い上に、日系企業で働くこと自体に魅力を感じなくなってしまうというような悪循環が生まれてしまうかもしれません。

日本語でのコミュニケーションが日常的なものであること自体は致し方ないことではありますが、グローバル化を目指す上では、時として外国人材への配慮が欠けないような意識改革も必要でしょう。 

 

このような例はほんの一例にすぎません。しかし、もしかしたら類似するような例が多くの日本企業や海外に進出している日系企業の中で今も起こっているのかもしれませんし、多くの日系企業で働く外国人が同じような感覚を抱いている可能性も否めません。

今後、日本企業がグローバル化を目指さなければ勝ち残っていくことができないという近年の状況から見ても、今回示唆された「評価制度」や「言葉の壁」といった課題は、一早く日本人、日本企業が大きく意識を変えていかなければいけないことだと言えるのではないでしょうか。

稲垣 隆司(株式会社エイムソウル代表取締役 PT. Bridgeus Kizuna Asia Director)

同志社大学卒。急成長したベンチャー企業で人事部責任者を務め、年間600名の新卒採用の仕組みを作る。2005年株式会社エイムソウルを設立し300社を超える顧客の人事課題解決に取り組む。2014年インドネシアに進出。日系企業に特化して人事課題解決に取り組む。

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